【ぜひお読みください】公園から先に工事をすることのデメリットを簡単に説明しました。

最も矛盾する部分について、簡単に説明していきます。

まずメリットに関して言えることは、工事を複数箇所で同時に行えば、それだけ同時に行っている期間分、全体の工期が短くなる。しかし、時間75mm対策の新しい計画が登場した今、わずかな工期短縮は、どれほどのメリットがあるのだろうか。頭をかしげなくてもすむような説明をうかがいたい点である。

■下流の工事が完了しない限り、洪水リスクは残り続ける

これは、つい最近2015年5月12日の宮下橋の水位である。この恐るべき水位のグラフをもう一度見ているうちにあることに気がついた。
wlevel 水位グラフのみ

よく考えてみると、この宮下橋(下図のA地点)でのピーク水位は、それより上流のB地点からC地点の工事をしたところで、変わらなのである
A地点より下流を広げなければ、その上流の工事をすればするほど、A地点の上流側に水がたまる一方なのだ。そして豪雨時に野球場の貯水池が満水になれば、危険水位を超えて溢れてしまうことになる。ボトルネックとは、まさにこのことだ。

神の水

これから計画されているC地点からB地点までの工事は、B地点より上流のエリアの浸水を防ぐための工事なのである。 にも関わらず、いくらA、B、Cと順番に工事していっても、Aより下流の工事を進めなけければ、Cより上流の事情はかわらないのだ。上流の流域の方々さえも、今後何年もの間、メリットは無いのである。

もちろん、B、Cの約200メートルの部分を拡幅し掘り下げることで、貯水効果はあるだろうが、その容量は、概算して、2600立方メートル。これは、野球場の貯水池48,000立方メートルの5% 程度である。貯水池としても、効果は、たったそれだけなのだ。

■善福寺池の「よどみ」は、川の貯水が原因となる

そこで、もう一つ疑問に思っていたことに説明がつきそうだ。
善福寺池の「よどみ」がひどくなった原因である。

A-B区間の川を掘り下げることで、川は貯水池のような状態になり、水は、長時間かけてA地点から先に出て行くようになった。そのため、川の水の流れがとても遅くなってしまった。

そして、いったん大雨で下水が流れ込んだ場合は、汚れた水が滞留してしまい、それが流れ切るまで川は、汚くなる。
善福寺池は、川の水をポンプで揚げて引き入れているから、川が汚水でよどんでいたら、ひとたまりもない。

仮に、B-C間を工事により、川が深く掘られた場合、事態はかなり深刻になる。善福寺池の水は、淀んだ川の水で、いっそう汚れてしまうのである。
しかも、湧水の量は、護岸に埋められた鉄管と波板が抵抗となって、かなり減ってしまう。そのわずかな湧水で、深い淀んだ川をうすめるのは、無理というものだろう。

善福寺池のよどみの原因は、さまざまである。浄水設備が何年も止まったままであることに加え、変色した地下水の利用、淀んだ川の水のくみ上げ。先日、川の水を引き入れる設備を改良して頂いたということだが、池の水質は、徐々に悪化してきている。

本会は、川、崖、池、木々、野鳥を可能な限り守るよう建設局の担当部署に「池の水質を改善する」「豊かな自然の残る場所に汚水をためる場所をこれ以上増やさない」ことを訴えていきたい。

■まとめ

A地点(宮下橋)より下流域の河川改修をしなければ、C地点より上流は、メリットはないのである。だから、和田堀公園内のBーC間の工事は、停止すべきである。(A地点より下流の改修が完了するまでに、自然環境との調和をはかる計画を十分に議論することが最も大切である。)

内水被害図と改修内水ハザードマップ(下水道や河川から溢れ、浸水したエリアが色別に示されている)

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湧水の豊富な水辺。このような浅瀬は失われてしまう。

善福寺川御供米橋下流の湧水は、東京の名湧水57選の一つ。環境局のホームページに「杉並区では数少ない湧水。周辺に公園や八幡宮等の緑も多く残されている。 」との記載がある。