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カワセミが主人公の善福寺川「水鳥の棲む水辺」創出事業は、河川整備工事には関与せず

市民が、善福寺川のあり方を考えたり、意見交換したりする場が、わずかに存在する。 一例として杉並区には、善福寺川「水鳥の棲む水辺」創出事業というものがある。今年の一月第一号「広報すぎなみ」の一面に、シンポジウム開催の記事が載った。 善福寺川「水鳥の棲む水辺」創出事業に参加されている方々、とくに子供たちの素晴らしい活動に敬意を表しつつ今回のシンポジウムに参加したときの顛末を振り返ってみる。 mizudoriposter このシンポジウムは、水鳥一斉調査や事業周知のために、平成21年から毎年行われている。

以下が、今回のプログラムである。 パネルディスカッション『善福寺川を楽しもう』
○コーディネーター(進行役)  
 すぎなみ地域大学学長 木原秋好
○パネリスト(発言者)
 前橋工科大学名誉教授 土屋十圀
 元財団法人日本野鳥の会理事 西村眞一
 ライフ計画事務所取締役計画部長 村岡政子
 東京都下水道局第二基幹施設再構築事務所設計課長 武藤真 事業の内容は、「区を代表する河川である善福寺川において、良好な水辺環境の指標となる「水鳥」に着目し、多様な動植物が生息・生育・繁殖できる潤いと安らぎのある水辺環境を再生・創出することを目的に区民と区が共に取り組む事業」とのことである。 しかも、事業の基本コンセプトは、「区民が創る、カワセミの棲む自然豊かな水辺」なのである。

(2014年のポスターは、カワセミが主人公である!) この事業が行われていることを知ったときには、本会は、とても期待した。この事業に取り組んでいる方々ならば、カワセミを救ってくれるのでは、と。そして今回、すがるような気持ちでシンポジウムに参加してみた。 しかしながら、その期待は、もののみごとに崩れ去った。

パネリストの一人にインタビューしたところ、「この事業は、都の河川改修工事には、関与しない。和田堀公園を流れる川の工事について、発言する立場にも無いし、都の方針は疑う余地もない。」とのことであった。
極めつけは、カワセミの巣の危機を指摘した質問に対して、「カワセミは、さほど貴重な鳥ではない。」野鳥を愛する方の言葉とはとても思えなかった。これが代表者の声を反映していないことを望む。

※カワセミは、区部において絶滅危惧Ⅱ類である。コラム参照

不思議でならないのは、区と区民とで水辺を創出しようとしている団体が会として、河川工事のあり方については、何も発言しようとしない点である。 何故なのだろうか。(土屋十圀氏が、東京都建設局河川部計画課(1972年より東京都建設局に勤務)出身であることが後に判った。)

ここに二つの素晴らしい文書がある。この方針通りにことが運んでいれば、本会の活動は、まったく必要がない。もちろん、この方針に従って進められている事業はある。ただ、根幹となる川自体が、破壊され、「水辺」が消えてしまっては、元も子もないのではなかろうか。

・創出事業基本方針 http://www2.city.suginami.tokyo.jp/library/file/H21zenpukuji_kihonhousin.pdf

・創出事業行動方針 https://www2.city.suginami.tokyo.jp/library/file/H26zenpukuji_koudouhousin.pdf ここに善福寺川の目標とする水辺環境が、完璧なまでにまとめられている。 ・豊かな湧水に恵まれた美しい川の流れ ・多様な動植物が生息・生育する水辺 ・区民が、身近に触れられ、潤いと安らぎを実感できる水辺 ・川から公園・緑地、学校、社寺、団地などへ豊かな自然が広がる流域 整備例 この図のような、河川の整備例も挙げられている。 この図には、現工事で川の両側に埋められている直径1メートル長さ10メートルの鉄管は、記載されていない。 (ただし、深読みすれば、このような急な護岸にすることを承認させることが目的だったのかもしれない。) 今後、創出事業の方針から、極端にずれているにも関わらず、 河川工事に声を挙げられない構造について考えていきたい。 また、この事業の予算について、事業を行っている主体について調べていきたい。

 はたして、現在の工事計画が、最善の案なのだろうか? 他の選択肢はほんとうにないのだろうか?

水辺事業評価 平成26年度の事業評価 水辺環境の整備(都市整備部土木計画課施設整備係)

http://www2.city.suginami.tokyo.jp/library/file/jimujigyo_26_08.pdf